保険外の療養を受けるとき
保険外併用療養費
健康保険では、保険が適用されない療養を受けると、保険が適用される療養にかかる費用も含めて、医療費の全額が自己負担になります。しかし、医療技術の進歩や患者のニーズの多様化に対応するために、保険が適用されない療養を受ける場合でも、一定の条件を満たした「評価療養」、「患者申出療養」および「選定療養」であれば、保険が適用される療養にかかる費用は保険診療に準じた保険給付が行われます。これを保険外併用療養費といいます。
評価療養・患者申出療養・選定療養
- 評価療養
- 医学的な価値が定まっていない新しい治療法や新薬など、将来的に保険導入をするか評価される療養
- 患者申出療養
- 健康保険が適用されない治療法を患者自らが「受けたい」と申し出ることを起点に、国が安全性や有効性などをすみやかに審査し(原則6週間)、承認されることにより、受けられる療養。ただし、将来保険適用を目指していることが前提。
- 選定療養
- 特別な療養環境など患者が自ら希望して選ぶ療養で、保険導入を前提としない療養
- ※給付割合は、義務教育就学前は8割。
- ※健康保険に加入する70歳以上の方の給付・自己負担についてはこちらを参照してください。
もっと詳しく
- 先進医療
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「先進医療」の制度では、保険診療と保険外診療の併用が特別に認められています。通常、保険適用外の先進的な医療を受ける場合、医療費は全額自己負担となりますが、安全性や有効性など一定の条件を満たすと認められた「先進医療」を受ける場合、先進医療の技術にかかる費用は全額自己負担となりますが、診察など一般の治療と共通する部分の費用は健康保険の給付対象となるため、自己負担が軽減されます。
なお、先進医療の医療技術は、厚生労働省が定めた基準を満たした医療機関でのみ受けることができます。 - 入院の室料
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入院したときの室料は保険の適用範囲内ですが、個室など普通より条件のよい病室は保険の適用外です。ただしこの場合、一般によく「差額ベッド」といいますが、正式には特別療養環境室といい、「厚生労働大臣の定める療養」にあたります。そのため、入院の室料にあたる分を自己負担すれば、あとの部分は保険が適用されます。
もっとも、差額を徴収されるのは、患者が快適な環境で過ごすために、特別療養環境室を希望したときに限られます。このように「厚生労働大臣の定める療養」には、「特別なサービスを選んだら自分で負担をする」という一面があります。 - 保険との併用が認められる保険外の療養
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評価療養
- 一定の要件を満たした医療機関における先進医療
- 医薬品の治験にかかる診療
- 医療機器の治験にかかる診療
- 薬価基準に収載される前の承認医薬品の投与
- 保険適用前の承認医療機器の使用
- 薬価基準に収載されている医薬品の適応外使用
- 薬価基準に収載されている医療機器の適応外使用
選定療養
- 差額ベッドへの入院
- 予約診療
- 時間外診療
- 200床以上の病院に紹介状なしでかかる初診・再診
- 特定機能病院等に紹介状なしでかかる初診・再診
- 制限回数を超えて受ける診療
- 180日間を超える入院
- 前歯部に金合金などの材料を使用
- 金属床総義歯
- 小児う蝕治療後の継続管理
- 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の処方
- 歯の治療を受けるとき
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保険での治療は2~3割(義務教育就学前2割)を自己負担
歯の治療は、医療費の2~3割(義務教育就学前は2割)を自己負担するだけで健康保険による診療を受けられます。
ただし、保険証で治療が受けられるのは保険で認められた方法と材料を使ったときで、たとえば歯並びを治すための歯列矯正など保険で認められていない方法を希望したり、14カラットを超える金など保険で認められていない材料を使ったときは自費診療となります。
このほか金属床の総義歯などについては、保険診療の費用と自費診療の費用の差額だけを負担すればよい場合があります。
いずれにしても、治療に入る前に歯科医によく聞いて、あとでトラブルの起こらないようにしてください。すべて保険でできる治療をしてもらいたいときは、「保険でお願いします」とはっきりいってください。 - 後発医薬品(ジェネリック医薬品)のある先発医薬品(長期収載品)を選んだとき
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ジェネリック医薬品がある先発医薬品(長期収載品)の処方を希望する場合、医薬品によっては、それらの薬価の差額の1/4相当が自己負担に加算されます。
対象となる先発医薬品
- ジェネリック医薬品が登場して5年以上経過している先発医薬品
- ジェネリック医薬品への置き換えが50%以上となった先発医薬品
対象とならない先発医薬品
- 医療上の必要性があって先発医薬品を使う場合
- 薬局にジェネリック医薬品の在庫がないなど提供が困難な場合